西南戦争之記録

これは高橋信武が書いています。

熊本城跡飯田丸(いいだまる)で出土した時限(じげん)爆弾(ばくだん)陶器改め遅延爆発用陶器

※「爆弾の使い方は、敵に投げるか火をつけて逃げるでしょうか!」とのコメントを頂いた。これは陶器・土師質等の焼き物なので投げたら割れそうであり、もしかしたら藁ででも巻いて使ったのだろうか?適当な言葉を思いつかないので標題のように変更した。コメントありがとうございました!

 

一本足でやっと崩壊ほうかいを免まぬがれていた飯田丸の復元櫓やぐら。それを建てる前の発掘調査でこれまで存在が知られていなかった陶器(報告書によると陶器質・土師質・焼き締め陶器)が破片としていくつも出土した(鶴島俊彦・美濃口雅朗他 2014熊本城調査研究センター報告書第1集−「飯田丸の調査」熊本市熊本城調査研究センター熊本城跡発掘調査報告書1。遺物部分の執筆は美濃口雅朗さんによる。数年前、陶芸教室で習っていた際、これを復元してみた。

初めは横から見てヒョウタンのように上下に丸いのが重なったような全体形を作り、次に上下の外面の境に帯状に拵えた細長い粘土紐を貼り付けた。しかし上手くできない。つぶれてしまう。そこでビニール紐をくびれに入れ、その上から帯状の細長い粘土を貼り付けるとうまくできた。報告書を見るとその部分内側には藁紐の痕跡があると記している。昔の人も同様にやっていたのだ。

最下段は報告書にある復元図。外面四ヶ所に穴があり、胴部中位の内側に筒状の空間が回る。壺の内側とは一ヶ所の穴で通じている。外側の穴から火縄を入れ、筒を経て内部に詰めていたであろう火薬に点火する仕組みだったとみられる。点火時間を四段階に変えることができる。

出土したのは釉(ゆう)なしの製品だが、作品は茶色の釉薬を掛けて焼いた。※Photo by M. 写真では火縄代わりの紙を差し込んでいる。

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参考までに報告書の記述を掲げる。