西南戦争之記録

これは高橋信武が書いています。

次亜燐(じありん) 

 次亜燐は昔の栄養剤です。自分が大分県内の発掘調査に従事していた際、ある遺跡で最初の表土剥ぎを重機で実施中にゴミ穴からガラス瓶が沢山見つかり始めたので、重機を止めて手作業で回収し、100点以上出土したガラス瓶類を発掘調査報告書に記載したことがありました。その後しばらくガラス瓶に興味を抱き、ヤフオクなどで集めていた時期がありました。その頃の一つを紹介します。

 これは紙箱に入った状態の一式です。添付紙で封をし、内部に説明書・瓶の形の厚紙・瓶本体・小瓶・小瓶を巻いた段ボール紙が入っています。

紙の下には瓶下部に立体的な文字が隠れています。

瓶の中身はありません。小分けにして飲む小瓶が一個ついてます。小瓶は幅狭の段ボールで巻いていました。上の方の写真に一部が写っています。

 

 

 

 最後の説明書は1枚で、光沢のある薄紙です。用紙の名称は不明です。文字が薄いので拡大して示します。ネット上では単品で見ることのある品ですが、ラベルが貼られた状態である点や、このようなほぼ一揃いの次亜燐は他に知らないので、その点貴重だろうと思い紹介しました。

 報告書執筆の際、全国の出土例を探したけど発掘調査例がなく、他例から製造年代を知ることはできない状態でした。そこで明治以降の新聞広告や雑誌広告などを調べた結果、明治時代に製造され始めたように記憶しています。報告書類を手元に残していないので、また奈良文化財研究所で公開しているのでは、この報告書はPDF化されていないので確認できていません。