熊本平野の会戦で敗れた薩軍は熊本市南東の木山から浜町（矢部）を通って人吉盆地方面に向かう様子だった。官軍側では4月25日に木山の灰塚で以降の進軍部署を協議した。もし薩軍が人吉に立て籠もるならば、西側の八代から進撃し、都城に立て籠もるならば鹿児…

西南戦争の際、2月15日には薩軍が鹿児島を出発開始しており、19日には征討の命令が出ている。両軍が初めて戦火を交えたのは1877（明治10）年2月21日でした。今回紹介するのはその間の2月20日に版行届が出された小林清親筆の三枚続き版画です。当時、西南戦争…

本文がペンで書かれた「陣中日誌稿（明治十年 戰争日記）」を紹介したい。熊本の古本屋から購入したものである。序に記すと、この日誌は以前東京で売られていたと鈴木徳臣さんから聞いたことがある。 巻頭の附言によれば、本日記の筆者は熊本鎮台第十三聯隊…

皆さん、2023年もよい年をお迎えください。

netto これらは一条千代吉氏が四等巡査心得として警視局に採用され、西南戦争に従軍、終戦時に退職して慰労金を下賜された一連の辞令や証書です。 辞令は縦21.4cm・横28.0cmの和紙で、木版印刷した空白部分に一条千代吉・四・十・五・十七」を毛筆で記入して…

淵辺高照の書状を紹介したい。 まず彼が何者なのかについて、「西南記伝」下･2の本営護衛将士伝「淵邊群平傳」の記述を掲げる。 淵邊群平、名は高照、初め直右衛門と稱す。薩摩の人。天保十一年鹿兒 島高麗町に生る（※1840年）。世、島津氏に仕へ帽子、其藩…