西南戦争之記録

これは高橋信武が書いています。

明治十年の巡査の辞令・慰労金証書などの史料紹介。がPCのネット接続が不完全で・・・買い替え時かなあ・・・

netto  これらは一条千代吉氏が四等巡査心得として警視局に採用され、西南戦争に従軍、終戦時に退職して慰労金を下賜された一連の辞令や証書です。

 辞令は縦21.4cm・横28.0cmの和紙で、木版印刷した空白部分に一条千代吉・四・十・五・十七」を毛筆で記入しています。4点に共通するが紙色は薄い茶色だが、本来の色だろうか。裏打や糊付け痕はない。

 二番目は縦21.1cm・横27.9cmの和紙で、これも木版印刷。「四等巡査一条千代吉・十・九・廿四」は毛筆書きです。裏面に空気が入って浮かんだ部分があり、薄い和紙で全体を裏打ちしているように見える。明治の明は口の中によん画を加えている。戦争が終わった9月24日の日付であり、一条氏は戦死することなく勤めを終えたのです。

 次は縦21.4cm・横27.9cmの和紙の上下に裏側から幅8.5mmの緑色を帯びた和紙を貼り付けている。上下の貼り付けはこれだけで、額か何かに貼り付けて飾っていたのかも知れない。毛筆で書き加えているのは「元四等巡査心得福嶌縣一条千代吉・九・廿四」であり、明治十年の十は印刷のように見える。これも上のものと同様に裏側全部を裏打ちしている。この明も一つ前のものと同じ字形です。

 四枚目です。縦20.4cm・横27.9cm。これも裏打ちされているようです。罫紙になっていて、右部分は八行、中央に賞勲局、左部分は六行になり、すべて朱色の木版印刷です。明治の明の左部分は目になっています。毛筆部分は「一條千代吉・四等巡査心得・拾五・十二・十七」です。これも裏打ちされています。苗字の條が前の三者と相違しています。三番目の警視局の紙に慰労金二十円下賜と書いているのに、賞勲局では十五円下賜に減らされています。

 警視から慰労金が下賜されるとの証書は、これだけ上下に紙を貼り付けており記念として壁にでも掛けていたのでしょうか。この一点で西南戦争に従軍したこと、無事帰還し慰労金を下賜されたことが分かるからです。

 同一人物の辞令などが4点揃っているのは珍しいのではないかと思います。